カテゴリ
温熱治療機器と技術
公開日
Apr 13, 2025 9:20 AM
更新日
Jun 14, 2025 6:10 AM
装置の概要
本章では、国内で医療機器承認されている株式会社庄内クリエート工業社製の温熱療法(HT)装置「アスクーフ8」について説明する。
製造業者 | 株式会社庄内クリエート工業 |
類別名称 | 機械器具12 理学診療用器具 |
一般的名称 | 高周波式ハイパサーミアシステム(JMDN:40782000) |
医療機器分類 | 高度管理医療機器(クラスⅢ) |
医療機器製造販売承認書番号 | 22800BZX00447000 |
販売名アスクーフ8 | アスクーフ8 |
電源 | 単相200V 50/60Hz 65A |
加温形式 | 高周波(RF)誘電加熱 |
高周波出力 | 最大1,500W |
高周波発振周波数 | 8MHz |
高周波発振方式 | 自励発振方式 |
電極寸法 | 7cmφ/10cmφ/14cmφ/21cmφ/25cmφ/30cmφ |
循環 | 独立4水槽貯留恒温水
冷水:5~25℃/温水:25~40℃の範囲で任意設定 |
温度測定 | 温度センサ5本(長さ1,500㎜/同時測定可) |
使用環境条件 | 温度:10~30℃/湿度:20~80%
※エアコンディショニングされている環境が望まし
い |
設置寸法 | 5,125㎜×5,267㎜(高さ2,500㎜)
※標準レイアウト/メンテナンススペース含む |
- アスクーフ8は、8 MHzのラジオ波を利用し、誘電加熱によって身体の深部の腫瘍を加温する治療装置であり、高度管理医療機器(クラスⅢ)に該当している。高周波の発振方式として、自励発振方式を採用している。
- なお、HT装置を臨床使用(操作)する担当者は、医師・看護師・診療放射線技師・臨床工学技士・臨床検査技師・理学療法士の何れかの資格が必要である(一般社団法人日本ハイパーサーミア学会認定技師制度規程より)。
- また、HT装置は高周波を利用するため、装置を設置する際には、総務省管轄の該当地域の総合通信局あるいは総合通信事務所より、高周波利用設備の許可を取得する必要がある。
禁忌事項
適用対象外
次に示す患者にはHT治療を行わないこと。
- 心電計、ペースメーカ、植え込み型刺激装置等を装着している患者(心電計、ペースメーカ、植え込み型刺激装置が誤動作又は皮膚火傷を起こすことがある)。
- 加温域内に金属片を留置している患者又は金属粉を含む刺青等をしている患者(加温により金属周辺部で過昇温になることがある)。
- 導電性のある金属を含む貼付剤を使用したままの患者(加温により貼付部に熱傷を生じることがある)。
- 豊胸材(シリコン)等が埋込まれている部分への加温(シリコン周辺部で火傷を起こすことがある)。
- 疾患が眼球・脳にある患者(加温により障害を与えることがある)。
- 使用にあたり危険を生じるような合併症を有する患者。
- 意思の疎通が困難な患者。
- 産婦、妊婦又は妊娠の可能性が疑われる患者。
- 成人に比べて代謝機能が未発達な年齢の小児(乳幼児等)。
- その他、主治医が不適当と認める患者。
併用できない医療機器
- 除細動器と併用しないこと。
使用時の注意
- 使用中は、必要な場合を除き稼動域に侵入しないこと。
装置の構成 ~全体図~
高周波式ハイパーサーミアシステムアスクーフ8(㈱庄内クリエート工業社製)
高周波発振部 | 高周波の発振を含む、装置の動作全般を制御・管理する機構。 |
ガントリー部 | 患者に高周波を印加する機構。 |
治療テーブル部 | 治療時の患者の寝台となる機構。 |
操作デスク部 | 患者情報や治療計画の登録、治療画面の表示、治療データの出力などを行う機構。 |
㈱庄内クリエート工業
カタログには載っていない特殊な産業用機械 (例:菓子製造機、印刷用製版機等)や自主開発の医療機器、高周波式ハイパーサーミア【アスクーフ8】(がん治療機)製造 を行っています。
本社サイト: https://www.s-create.jp/